インスペクション(建物状況調査)とは、インスペクションはすでに多くの場面で行われるようになっている。新築住宅を購入した人が引き渡し前の内覧で建物の仕上がりを調査してもらう場合や、中古住宅の売買で売る人や買いたい人が建物の状況を調査してもらう場合、リフォームをする人が実施前や後に建物の状況を調査してもらう場合などだ。
ほかにも、新築や中古売買、リフォームで万一の瑕疵(かし=引き渡し後に基本構造などで重大な不具合が見つかること)にそなえて、補修費用を保険でまかなえるように「瑕疵保険」に加入する際にも、住宅の検査が行われる。また、耐震性に特化した「耐震診断」も広い意味では、インスペクションに含まれるだろう。
一方、改正宅建業法で規定する「建物状況調査」とは、「住宅の基礎、外壁等の部位ごとに生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の有無を目視、計測等により調査するもの」で、次の条件を満たすものをいう。
・中古住宅の売買の際に行われるもの
・建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分を調査対象とするもの
・国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、
既存住宅状況調査方法基準に基づいて調査を実施するもの
中古住宅の売買で売る人や買いたい人が自ら実施したり、瑕疵保険の加入のために検査機関に依頼したりする場合で、この条件に当てはまれば、改正宅建業法でいう建物状況調査に該当することになります。